英語主義~英語で早慶上智を突破~

英語講師の母と一浪慶應生の息子が書く、親目線と子目線、両方の視点から経験談が語られていくブログです!

ペーパーバックの歩き方 その2

 

“英語主義“ブログを訪問してくださってありがとうございます。“”が書きます。

 

John Grisham “CAMINO ISLAND

               f:id:lovelove-english:20220225121858j:plain

John Grishamは昔トムクルーズが主演した “THE FIRM(法律事務所)“等を書いた多作な作家ですが、私はこの本以前には1冊も読んだことはありませんでした。

 

この本を読んだきっかけは、何か(エッセイ?)で村上春樹が「とてもいい小説」と紹介していたのを覚えていたからです。読後はその読みやすさにも惹かれて、すっかりファンになりました。

 

以下少しだけネタバレです。

主人公のBruce CableはフロリダのCamino Island にある書店の経営しています。本をこよなく愛し、日々読書に明け暮れながらも、書店にある本を返品することなく売ろうと奔走しています。しかし、一方で実は彼は貴重な初版本や原稿のコレクターでもあり、プリンストン大学で発生した”F. Scott Fitzgeraldの大変に貴重な(pricelessな)5冊の本の原稿が盗まれた“という事件に関わっていて…。

 

この主人公Bruce Cableは小説の中で(真っ当ではないけれども)非常に魅力的に描かれていて、食事はいつもワインとともに、服装にもこだわりがあり、電子本ではなく紙の本を好みます。

 

Mercerというスランプ気味の女性作家とのシーンです。

   ハイビスカスのライン

“Maybe. I’ve read two books about the Fitzgeralds and the Hemingways in Paris and I’ve ordered several more.”

“Ordered?”

“Yes, from Amazon. Sorry. They’re far cheaper, you know?”

“So I hear. Order from me and I’ll knock off 30 percent.”

“But I like to read e-books too.”

“The younger generation.” He smiled, took a sip of wine, …

   波とヤシの木のライン

作家であるJohn Grisham自身の憂いが多分に投影されているように思えます。

 

また同じくこの作家のF. Scott Fitzgerald への愛が色濃く感じられる場面も多くあります。

 

クライマックスのシーンで、盗難されたFitzgerald の5つの原稿が一つ一つ返却されて行くのですが、書かれた年代順で返されていたはずの原稿の順番が最後の1つだけBruceによって変更されます。この作品への別格のリスペクトが感じられるように思います。

 

Bruceから伝わってくる本への愛情に、軽いタッチで楽しめるエンターテインメントながらも爽やかな感動を覚える1冊、ぜひお試しください。

 

読んでくださった方のご参考になりますように。

ブログランキングに参加しています

にほんブログ村 受験ブログへ
にほんブログ村