「この学校からこの大学にしか受からなかった」
“英語主義“ブログを訪問してくださってありがとうございます。“母”が書きます。
少し前の生徒なのですが、全国的に言っても泣く子も黙るレベルの中高一貫進学校に通う男子がいました。それこそ必ずその年の東大進学者数で話題に上らないことはない程の学校です。
そして、自分が教える生徒は皆得てしてかわいく思えてしまうものではありますが、その子は何というのか飛び抜けて性格の良い素直で優しい男子で、そんな飛び抜けた偏差値の学校に通っていても奢ることもなく、時々は友人との楽しいエピソードを話してくれたりもしていました。
そんな彼だったのですが高すぎる程の能力の地頭の裏返しのようなものなのか、私が見ていた限りではいくつかの要因が絡まってどうしても大学受験に向けて必要な力が高まって行きませんでした。単純にサボっていて、というのとも違う。本人も苦しかったかと思います。
でも彼は家族に囲まれ、家族に励まされこそすれど、決して不要なプレッシャーをかけられるようなこともなく予定していた全ての入試を受け切りました。そしてその中で合格した大学に進学しました。
その大学に彼の卒業した高校から進学した学生は極めて少数しかいないと思います。私は受験科目の中でも英語しか教えていなかったとはいえ、長く通ってもらったこともあってとても心苦しくて申し訳ない気持ちになりました。
けれども、全ての受験を終えた後彼はお母さまと一緒に挨拶に来てくれて、もちろん手放しで喜ぶなどという訳ではないけれどもしっかりと前を向き、やり終えた明るい笑顔で挨拶をしてくれました。
その後は年の離れた弟さんが私のクラスで勉強してくれることとなり、たまにお兄さんの後日譚を聞かせてくれます。
彼はコロナ禍で通学はほぼできなかったけれども、その大学では著名なサークルにも入り活躍し、兄弟にも相変わらず優しくて充実した日々を送っているそうです。
彼ならばますます専門の得意な分野の学習を進め、世の中で役立つ作品を編み出してくれると信じられます。
東大だの東工大だのに入れなかったからダメ、などいうことでは人生は決してないのだ、と改めて思わせてくれる彼のお話でした。
読んでくださった方のご参考になりますように。
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