ペーパーバックの歩き方 その4
“英語主義“ブログを訪問してくださってありがとうございます。“母”が書きます。
Vikas Swarup ”SLUMDOG MILLIONAIRE”
インド人の外交官 / 小説家の著者(日本にも赴任していたことがあるようですね)によるデビュー作で、2008年に映画化され大ヒットし、アカデミー賞の作品賞他いくつもの賞を受賞しました。
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以下多少ネタバレです
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日本でも昔「ファイナルアンサー?」というクイズ番組が流行りましたが、この本では主人公のRam Mohammad Thomas が“Who Will Win A Billion?” (W3B) というクイズ番組で見事13問全ての質問に答えて、最高賞金である1,000,000,000ルピーを勝ち取ります。
孤児であり、学校に通うこともできなかった少年Ramが何故それらの問に答えることができたのかを、彼のまるで冒険とも言えるような苦難続きの人生を、明るいコメディータッチで振り返りながら、話は進行します。
This is the pattern of my life. Just when I begin to feel on top of things, fate yanks the rug from under my feet.
(これが俺の人生ってやつなんだ。やっとうまく行きはじめたかと思うと、運命が足元で俺をつまづかせる。―母拙訳)
と、ある時Ramがつぶやくように、彼の毎日は想像をはるかに超える程の苦労ばかりで、でも少し希望が見えて来てやっと明るい兆しが、と期待し始めるとまた新たな困難が待ち受けていて…。そんなことの連続で、笑えるシーンも数多くあるものの、私は途中辛くてめげてしまいそうになりました。
$この感じは大昔テレビで見ていたアニメ『キャンディー・キャンディー』に似ている!と思いました$
しかしRamはタフで「生きる」ことをシンプルに貫きます。そして行く先々で多くの人々と関わり、助け、助けられます。
フィナーレとなる章ではこれまでの流れが結実し一気に読ませてしまう、素晴らしいエンターテイメントであると同時に、インドの社会におけるさまざまな問題を提起している作品でもあります。
それと、話の中でRamが修羅場を乗り越えて来られた理由の一つとして”彼が英語を話せたからだ”と言う場面があり↓
The fact that I spoke fluent English immediately gave me a headstart.
(俺が流暢な英語を話せるということが俺を有利な立場にさせてくれた。―母拙訳)
ブログ“英語主義”としましては少々嬉しい気持ちになりました。
読んでくださった方のご参考になりますように。
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